トラックやダンプを購入した時の税制優遇について「中小企業投資促進税制」

中小企業投資促進税制とは?

この税制は、青色申告書を提出する中小企業者等が、新品の対象資産を取得、または制作等をして事業の用に供した場合に、取得価額の30%相当額を通常の減価償却費に上乗せする【特別償却】もしくは、取得価額の7%相当額の【税額控除】が認められる制度です。

なお、制度の詳細は、以下の国税庁ホームページに記載されております。

国税庁「タックスアンサー」
No.5433 中小企業投資促進税制[令和5年4月1日現在法令等]
(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5433.htm

特別償却と特別控除のどちらが得か?

この税制は、【特別償却】と【税額控除】のどちらか一方を選択することになります。
同一の資産で、【特別償却】と【税額控除】を併用することはできません。

※ 【税額控除】の適用ができるのは、資本金3,000万円以下の中小企業者等になります。
資本金3,000万円超の中小企業者等は、【特別償却】のみの適用となりますので、注意が必要です。

では、どちらを選択する方がよいのでしょうか。

まず、【特別償却】ですが、こちらは減価償却費を前倒し計上できる措置です。
例えば、取得価額1,000万円の資産であれば、300万円を特別償却として前倒し計上できます。通常の減価償却とは違い、月割計算という概念はありませんので、決算直前の導入でも取得価額の30%相当額を上乗せ計上できます。

資金繰りが苦しく、直近の納税額を低く抑えたい場合は、この特別償却を検討してよいかもしれません。

留意点としては、1つの資産に対して、計上できる減価償却費の総額が増えるわけではないということです。あくまでも、翌期以降に計上する減価償却費を先に使用するだけですので、減税措置ではなく、課税の繰り延べであるということを覚えておきましょう。

また、【税額控除】の方ですが、こちらは税額そのものを直接少なくする措置ですので、減税措置になります。

例えば、取得価額1,000万円の資産であれば、最大で法人税70万円の減税が行えます。
法人税額の20%が減税できる限度額となっておりますが、減税しきれなかった金額があっても、翌年度に繰り越して使用することができます。さらに、通常の減価償却費も計上できますので、一般的に【税額控除】の方が得になる傾向があります。

ただし、選択する時には、必ず効果を試算してから決定するようにしましょう。
赤字や、繰越欠損金が残っている等の理由で、翌期まで納税額が発生しないのであれば、【税額控除】を選択しても意味がありません。
会社の状況を見て試算し、適切だと思う方を選択しましょう。

中小企業投資促進税制の対象となる資産とは?

この税制の対象資産は、次に掲げるものになります。

対象資産
【1】 機械および装置
・1台、または1基の取得価額が160万円以上のもの
【2】 製品の品質管理の向上等に資する測定工具および検査工具
  • 1台、または1基の取得価額が120万円以上のもの
  • 1台、または1基の取得価額が30万円以上のもので、1事業年度における取得価額の合計額が120万円以上となるもの(複数合計120万円以上
【3】 ソフトウェア
  • 1つの取得価額が70万円以上のもの
  • 当該事業年度で利用開始したものの合計が70万円以上のもの(複数合計70万円以上))
    複写して販売するための原本、開発研究用のものまたはサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものなどは除きます。
【4】車両および運搬具のうち一定の普通自動車
貨物の運送の用に供されるもののうち、車両総重量が3.5トン以上のもの
【5】内航海運業の用に供される船舶(取得価額の75%が対象)

また、リース契約により導入した資産も対象になりますが、所有権移転外リース取引で導入した資産については、【税額控除】のみの適用となります。
> なお、貸付用の資産は、この税制の対象外となりますので、注意が必要です。

購入したトラックやダンプが対象資産かどうかの判定方法

前置きが長くなりましたが、表題にあるトラックやダンプを導入した場合も、この税制が利用できる可能性があります。

上記の「対象資産」にある【4】車両および運搬具のうち一定の普通自動車(※)に、導入した車両が該当すれば、【特別償却】、または【税額控除】の対象となります。
(※)貨物の運送の用に供されるもののうち、車両総重量が3.5トン以上のもの

では、該当するかどうかは、何を見て判断するのでしょうか。
答えは、車検証(自動車検査証)を見て判定します。
確認する部分は次に掲げる4項目です。
4項目全てが以下の記載になっている必要があります。

車検証(自動車検査証)4項目の記載要件

  1. 自動車の種別
    ➡ 「普通」と記載されていること
  2. 用途    
    ➡ 「貨物」と記載されていること
  3. 最大積載量 
    ➡ 「数字」が記載されていること
  4. 車両総重量 
    ➡ 「3500kg」以上の記載になっていること

なお、要件等は、以下の国税庁ホームページに記載されています。

国税庁「質疑応答事例」
租税特別措置法第42条の6の対象となる車両運搬具の範囲について
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/27/04.html

※ 参考に一部を抜粋します。

  • 普通自動車に該当するかどうか及び車両総重量が3.5トン以上かどうかについては、自動車検査証の「自動車の種別」欄及び「車両総重量」欄により判定することができます。
  • 本制度の適用上、次の2点を満たす自動車が「貨物の運送の用に供されるもの」に該当します。
    • 自動車検査証(いわゆる車検証)の「最大積載量」欄に記載があること。
    • 実際にその自動車を貨物の運送の用に供していること。

納車予定日と適用期限に注意

最後になりますが、車両は発注してから納車されるまでに時間を要します。
この税制は、適用期限までに納車され、かつ使用を開始する必要がありますので、どれくらいで納車が可能か、事前に確認しておくことをお勧めします。

また、現在の適用期限は、令和7年3月31日です。
今後の税制改正により延長される可能性もありますので、この税制を利用した設備投資をご検討の方は、その時の適用期限を必ず確認するようにしてください。

関連記事

CATEGORY

TOP